中米機構(読み)ちゅうべいきこう(その他表記)Organización de Estados Centroamericanos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中米機構」の意味・わかりやすい解説

中米機構
ちゅうべいきこう
Organización de Estados Centroamericanos

略称 ODECA。中米地域協力機構。 1951年 10月 14日に中米5ヵ国の外相がサンサルバドル憲章調印,12月に発足した。加盟国は,コスタリカエルサルバドルグアテマラホンジュラスニカラグアの5ヵ国。加盟各国間の結合の強化,紛争の平和的解決,公共の災害に対する相互援助,経済的,社会的ならびに文化的発展の促進を目的としている。機関として,大統領会議,外相会議,経済理事会および事務局がある。大統領会議を最高機関とし,サンサルバドルに事務局を設置。加盟5ヵ国は,スペインからの独立後,1824~39年の一時期中米連邦を結成していたもので,再統一の理念が生きている。 1953年にはグアテマラが他国の内政干渉に抗議して脱退するなど混迷し,新憲章 (1965年発効) のもと再発足した。 ODECAを母体とした中米共同市場は順調にみえたが,69年のサッカー戦争 (エルサルバドルがホンジュラスに進攻) により瓦解した。 79年のニカラグア革命に端を発する中米危機は,86年の中米首脳会議 (エスキプラス) で転機を迎え中米和平に向い,翌年に「中米議会」の創設条約が署名された (コスタリカが未批准) 。中米経済統合の再始動もみられるが,この地域はいまだ流動的である。

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百科事典マイペディア 「中米機構」の意味・わかりやすい解説

中米機構【ちゅうべいきこう】

略称ODECA。グアテマラ,エルサドバドル,ホンジュラス,ニカラグア,コスタリカの5ヵ国で設立本部サン・サルバドル。中米諸国の連帯強化,紛争の平和的解決,経済・文化・社会面での発展協力を目的とする。ラテン・アメリカ自由貿易連合と結合を企図して中米共同市場を結成。1970年代から活動停止状態にあったが,1993年に中米統合機構(SICA)に改組され,中米経済統合条約が上記5ヵ国の間で調印された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「中米機構」の意味・わかりやすい解説

中米機構
ちゅうべいきこう
Organizasión de Estados Centroamericanos スペイン語

略称ODECA。1951年、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカの中米5か国が憲章に署名し、1962年発足した政治的統合機構。1991年に解散し、1992年発足の中米統合機構へと改組された。

[編集部]

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