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丹前物 たんぜんもの

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

丹前物
たんぜんもの

歌舞伎舞踊の一系統。歌舞伎技法の丹前を取入れたもので,ほぼ元禄年間 (1688~1704) に成立した。宝暦5 (55) 年江戸市村座で中村粂太郎が踊った五変化舞踊『門出京人形 (かどいできょうにんぎょう) 』のなかの一つで長唄『水仙丹前』や,天明5 (85) 年江戸桐座の顔見世狂言『男山娘源氏 (おとこやまふりそでげんじ) 』の所作事として踊られた長唄『高砂丹前』が知られ,今日でも上演される。両者にみられるように,丹前物には槍踊りをつけることが多かった。荻江節の『水仙丹前』『金谷丹前』は,1世荻江露友が長唄曲を荻江節に直したもの。また,文政1 (1818) 年中村座初演の常磐津節『三つ人形』以後,清元『土佐絵』,長唄『廓丹前』などもつくられた。

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デジタル大辞泉の解説

たんぜん‐もの【丹前物】

歌舞伎舞踊の一系統で、丹前姿を舞踊化したもの。元禄期(1688~1704)に成立。

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大辞林 第三版の解説

たんぜんもの【丹前物】

丹前振りを主とした歌舞伎の舞踊・歌曲の一系統。元禄期(1688~1704)に成立。

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世界大百科事典内の丹前物の言及

【丹前】より

…元禄期(1688‐1704)の江戸の立役は《茶の湯丹前》《立髪丹前》《奴丹前》など,得意な丹前の演技術を採り入れた演目を持っていた。この系統のもので現在残っているものに,常磐津節の《三人形(みつにんぎよう)》,清元節の《土佐絵》,荻江節の《金谷丹前(かなやたんぜん)》《水仙丹前》,長唄の《高砂丹前》《廓丹前》《鞘当》《供奴》《元禄花見踊》などがあり,これらを一括して〈丹前物〉という。〈丹前〉を演技術として歌舞伎で初めて見せたのは多門庄左衛門(生没年不詳,1660年江戸で活躍)といわれ,初世市川団十郎を〈丹前開山〉と記すものもある。…

※「丹前物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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