丹青(読み)たんせい

精選版 日本国語大辞典 「丹青」の意味・読み・例文・類語

たん‐せい【丹青】

〘名〙
① 丹砂と青雘(せいわく)、すなわち赤の絵具の材料になる石と青の絵具の材料になる土。また、赤い色と青い色。丹碧
※類聚句題抄(11C中)渡水尋紅葉〈菅原定義〉「錦繍谷中踰岸至、丹青樹下遇林行」 〔周礼‐秋官・職金〕
② 転じて、絵具。絵具の色。また、絵具を塗ること。彩色
※続日本紀‐養老五年(721)一〇月庚寅「其轜車霊駕之具、不鏤金玉、絵餝丹青
最暗黒之東京(1893)〈松原岩五郎〉一二「畢竟する所唯細民の膏血を丹青(タンセイ)したるものに過ぎざるなり」
③ (「たんぜい」とも) 絵画。また、絵を描くこと。
明衡往来(11C中か)上本「而習丹青之業以来、不朝夕之恪勤」 〔漢書‐蘇武伝〕
④ 絵を描く人。画家
※参天台五台山記(1072‐73)八「見嵩大師所持梵才三蔵真影。三蔵自作偈。小師徳嵩写予真讚。以偈答之。爾命丹青。絵予之相

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「丹青」の意味・読み・例文・類語

たん‐せい【丹青】

赤と青。丹碧。
絵の具。また、彩色。「丹青の妙を尽くす」
《「たんぜい」とも》絵画。また、絵の具で描くこと。「丹青の技に長じる」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「丹青」の読み・字形・画数・意味

【丹青】たんせい

赤と青。絵具。絵画。まごころ。不変のもの。簡札歴史の書。宋・文天祥〔正気の歌〕詩 皇路夷に當りては 和を含んでに吐く 時窮しては乃ち見(あら)はる 一一丹に垂る

字通「丹」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android