久保田一竹(読み)クボタ イッチク

20世紀日本人名事典 「久保田一竹」の解説

久保田 一竹
クボタ イッチク

昭和・平成期の染色工芸家(一竹染) 一竹辻が花創始者。



生年
大正6(1917)年10月7日

没年
平成15(2003)年4月26日

出生地
東京・神田三河町

学歴〔年〕
旧制中学中退,早稲田美術専

主な受賞名〔年〕
フランス芸術文化勲章シュバリエ章〔平成2年〕,文化庁長官賞〔平成5年〕

経歴
14歳で友禅師・小林清に弟子入り。昭和12年20歳の時室町時代の染色工芸“辻が花”の美しさに魅せられ復元を決意したが、太平洋戦争のために応召し、3年間に渡りシベリアに抑留された。23年に帰国して以来、20年間の研究の末、36年化学染料を使う独自の技法により、“一竹辻が花”といわれる技術を生み出し、“一竹染”を創案した。演劇装飾美術等の芸術活動に加え、着物文化発展にも力を注いだ。平成2年フランス芸術文化勲章シュバリエ章を受章するなど、深い色合いと大胆な構図を持つ芸術的な着物で海外でも高い評価を得た。6年河口湖畔に自らの作品の常時展示する久保田一竹美術館がオープンした。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

百科事典マイペディア 「久保田一竹」の意味・わかりやすい解説

久保田一竹【くぼたいっちく】

染色工芸家。東京生れ。友禅師小林清に師事絵画も学び,1959年より辻が花染めの研究を始める。1962年現代の布と化学染料を使った独自の技法によりその再現成功,〈一竹辻が花〉と名づけた。1977年東京で第1回個展開催,以来国内外で個展を開催。深い色合の大胆な構図による四季絵模様は現代的,技巧的で,《ギネス・ブック》に世界一高価な着物として登録され,話題を呼んだ。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「久保田一竹」の解説

久保田一竹 くぼた-いっちく

1917-2003 昭和-平成時代の染色家。
大正6年10月7日生まれ。友禅師の小林清に師事。昭和12年辻が花染とであい,戦後シベリア抑留から帰国後その研究に力をそそぎ,52年「一竹辻が花」とよばれる技法を発表して注目をあびた。欧米での展覧会もおおい。平成2年フランス芸術文化勲章シュバリエ。6年山梨県河口湖町に久保田一竹美術館をひらいた。平成15年4月26日死去。85歳。東京出身。

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367日誕生日大事典 「久保田一竹」の解説

久保田 一竹 (くぼた いっちく)

生年月日:1917年10月7日
昭和時代;平成時代の染色工芸家
2003年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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