久慈山地(読み)くじさんち

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「久慈山地」の意味・わかりやすい解説

久慈山地
くじさんち

茨城県北部,久慈川とその支流の里川に挟まれた新第三紀層の山地全長約 35km。幅約 10km。福島県との県境から常陸太田市にかけて北北西から南南東にほぼ直線状に縦走する。中央以南を縦断する山田川の断層谷と北部の生瀬盆地(なませぼんち)により東部の東金砂山地と西部の男体山地に細分される。東金砂山地には佳老山,鍋足山,東金砂山,男体山地は生瀬富士,白木山,主峰男体山(654m),長福山(513m)を連ねる。標高約 400~600mと一般に低く,阿武隈高地隆起準平原の一部をなしている。峡谷が発達して景観は美しいが,東西間の交通を阻害してきた。男体山北部には典型的な山村である安寺,持方の集落がある。生瀬盆地は浸食盆地で,生瀬富士と月居山の間に新第三紀層角礫岩の浸食によって形成された袋田の滝がある。山田川の支流竜神川は峡谷が美しく,袋田,大子,常磐湯沢の温泉とともに奥久慈県立自然公園に属する。

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