大子(読み)オオイコ

デジタル大辞泉 「大子」の意味・読み・例文・類語

おおい‐こ〔おほい‐〕【大子】

長女敬称
「故御息所みやすんどころ御姉、―にあたり給ひけるなむ」〈大和・一四二〉

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精選版 日本国語大辞典 「大子」の意味・読み・例文・類語

おおい‐こおほい‥【大子】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 貴族の長女をうやまっていう語。大君(おおいぎみ)。また、一般に長女。
    1. [初出の実例]「故御息所の御姉、おほいこにあたり給ひけるなむ」(出典:大和物語(947‐957頃)一四二)
  3. 一番上の子。長子。〔改正増補和英語林集成(1886)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大子」の意味・わかりやすい解説

大子(町)
だいご

茨城県北部、久慈郡(くじぐん)にある町。1891年(明治24)町制施行。1955年(昭和30)黒沢、佐原(さわら)、依上(よりかみ)、宮川(みやかわ)、袋田(ふくろだ)、生瀬(なませ)、上小川(かみおがわ)の7村、および下(しも)小川村の一部と合併。阿武隈(あぶくま)高地南端の久慈山地と八溝(やみぞ)山地に囲まれ、中央を久慈川が流れる。八溝山(1022メートル)は茨城県の最高峰で福島県境にある。冬の寒さは厳しく「シガ」とよばれる川の流氷現象がみられる。JR水郡(すいぐん)線、国道118号、461号が通じる。金の産地と陸奥国(むつのくに)に通じる街道(南郷街道(なんごうかいどう))の宿駅が置かれた重要地域で、中世は陸奥国白河郡に属し、依上保(よりかみのほ)といわれた。戦国時代、佐竹氏の支配地であったが、江戸時代、徳川水戸藩領となった。依上保の域内は保内郷(ほないごう)とよばれ、1955年の合併は保内郷1町8村がまとまったもの。コンニャク、茶、リンゴワサビ、湯葉などが特産で、林業が盛んである。かつて馬産地であったが、肉牛生産・酪農地にかわった。町域一帯は奥久慈県立自然公園に指定されている。袋田の滝、袋田温泉、大子温泉などのほか、全国植樹祭跡地にできた奥久慈憩(いこい)の森があり、観光休養地である。「浅川ささら」は県指定無形民俗文化財。面積325.76平方キロメートル、人口1万5736(2020)。

[櫻井明俊]

『『大子町史料』全6巻(1976~1981・大子町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「大子」の意味・わかりやすい解説

大子[町] (だいご)

茨城県久慈郡の町。人口2万0073(2010)。県の北西端に位置し,栃木・福島両県と接する。八溝山地の山間部を占め,中央を久慈川が南流する。古くは依上(よりかみ)保の地域に含まれ,文禄年間(1592-96)までは陸奥国白河郡に属した。久慈川と押川の合流点に位置する中心集落の大子は,近世には南郷街道の宿場町として栄え,市が開かれていた。主産業は農業で,コンニャク,茶,タバコなどの栽培や畜産が行われる。袋田地区は袋田滝や久慈川の渓谷を中心とする奥久慈の観光地で,袋田温泉,大子温泉,常陸湯沢温泉があり,奥久慈県立自然公園に指定されている。JR水郡線が通じる。1960年の人口は4万人をこしたが,その後,人口流出が続いている。
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百科事典マイペディア 「大子」の意味・わかりやすい解説

大子[町]【だいご】

茨城県北部,久慈(くじ)郡の町。久慈川上流の奥久慈地方を占め,河谷に主集落の大子,袋田などがあり,水郡(すいぐん)線,国道118号線が通じる。米,リンゴ,コンニャク,茶を産し,畜産も行う。久慈川の渓谷美は奥久慈観光名所の一つ。東日本大震災で,町内において被害が発生。325.76km2。2万73人(2010)。

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普及版 字通 「大子」の読み・字形・画数・意味

【大子】たいし

太子。

字通「大」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の大子の言及

【冬至】より

…【内田 正男】
[民俗]
 植物の生長がとまったり太陽の光が衰えてくることは不安なことで,太陽復活を願って大火をたいたり,神々の来臨を仰いで危機脱出をはかろうとする祭りが冬至の前後に行われる。太陰太陽暦(旧暦)においてはほぼ霜月下弦の日を冬至に該当させ,この夜大子(おおいこ)という神の子が人々に幸いや新たな生命力を与えて再生を促すために各地を巡遊するという信仰があった。これは西洋のサンタ・クロースの伝承にもつながるもので,日本では弘法大師と結びつけ,大師講の行事としているところが少なくない。…

※「大子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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