九つの世(読み)ここのつのよ

精選版 日本国語大辞典 「九つの世」の意味・読み・例文・類語

ここのつ【九つ】 の 世(よ)

  1. 十界の内、人界を除いた仏・菩薩・縁覚・声聞・天・修羅・畜生・餓鬼地獄九界をいう。これらは、死後にゆくところであるところから、冥途(めいど)の意にいう。黄泉(よみ)九つの地。〔八雲御抄(1242頃)〕
    1. [初出の実例]「殺さば殺せ。九つの世を経るとも、灵(れう)を引て飽までに、思ひしらさでやは已(やま)ん」(出典読本椿説弓張月(1807‐11)拾遺)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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