九名村(読み)くみようむら

日本歴史地名大系 「九名村」の解説

九名村
くみようむら

[現在地名]美星町明治めいじ

黒萩くろはぎ村の西にあり、北西三沢みさわ(川上郡川上町)。寛永備中国絵図に村名がみえ、高二五五石余、松山藩領。正保郷帳では幕府領で枝村に中山なかやま村・宗兼むねかね(宗金)村・恵供菜えぐな(絵具那)村・三田さんだ村・定長村・秋利あきとし(秋年)村・有重村が載る。天和三年(一六八三)旗本の撫川戸川領となり(「庭瀬村替地郷村高帳」宮田文書)、村の中央の友成ともなりに戸川家の代官所が設けられた。元禄一一年(一六九八)の枝村の家数は中山二六・定長二四・餌供菜(絵具那)一四・有重二三・宗兼一三・三田一一・秋利六(「枝村道程方角家数覚」同文書)。享保六年(一七二一)には田方二一町一反余・畑方一一町三反余で百姓人数八二〇(下人とも)、ほかに僧三・社人四・山伏一・ごぜ一。寛政八年(一七九六)には当村東方(三田・定長・鳴石・秋年)が入会野山としていた三沢村矢平奥への立入りを、植林した小松焼失などを理由に断られている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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