九段線(読み)キュウダンセン

デジタル大辞泉 「九段線」の意味・読み・例文・類語

きゅうだん‐せん〔キウダン‐〕【九段線】

Nine-dotted Line中国南シナ海での領有権主張するため、地図上に独自に設定した9本の境界線。U字型の破線をなし、南シナ海のほぼ全域を囲む。その形から「U字線」「牛の舌」ともよばれる。南沙諸島西沙諸島などが含まれ、周辺諸国と主張が対立している。
[補説]2013年1月、中国の主張は国連海洋法条約に違反するとして、フィリピン常設仲裁裁判所提訴。2016年7月、同裁判所は、九段線に法的根拠はないとする判決を下した。

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共同通信ニュース用語解説 「九段線」の解説

九段線

中国が南シナ海のほぼ全域の管轄権や領有権を有する範囲を示すため、独自に引いた9本の境界線。南沙(英語名スプラトリー)諸島や西沙(同パラセル)諸島など、九段線内の島々の領有権と、線内の海域での主権を主張している。1940年代に当時の中華民国政府が引いた11本の境界線を中華人民共和国が引き継ぎ、9本に修正。国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所は今年7月、九段線で囲った海域に歴史的権利があるとする中国の主張は「法的根拠がない」との判断を下した。(共同)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「九段線」の意味・わかりやすい解説

九段線
きゅうだんせん

中国が領有権を主張するために地図上の南シナ海の部分に引いた破線のU字線。

[編集部 2021年1月21日]

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