二度の月(読み)ニドノツキ

デジタル大辞泉 「二度の月」の意味・読み・例文・類語

にど‐の‐つき【二度の月】

陰暦八月十五夜と九月十三夜の2回、月見をすること。関東地方では、片方だけの月見をすることを片月見と呼んで忌んだ。
江戸吉原での約束ごとで、紋日もんびの八月十五夜に来る客は必ず九月十三夜にも登楼し、一方だけの片月見を嫌ったこと。

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精選版 日本国語大辞典 「二度の月」の意味・読み・例文・類語

にど【二度】 の 月(つき)

  1. 一年に二度名月。陰暦の八月十五夜と九月十三夜の名月をいう。
    1. [初出の実例]「軒の燈籠二どの月、菊の節供や年の暮」(出典:浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)鐘入)
  2. 江戸吉原の紋日(もんび)である、八月一五日と九月一三日の両日に必ず登楼するならわし。客が一方の日だけに登楼することを片見月といって忌みきらう。
    1. [初出の実例]「初会のいりめ、裏約束、〈略〉『桃の節句やあやめふく軒の燈籠、二度の月』とかたりながら」(出典:黄表紙・莫切自根金生木(1785)上)

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