紋日(読み)モンビ

大辞林 第三版の解説

もんび【紋日】

〔「物日ものび」の転〕
江戸時代、官許の遊郭で、五節句などの特に定めた日。この日遊女は客をとらねばならず、客も揚げ代をはずむ習慣であった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

紋日
もんび

物日(ものび)の転訛(てんか)で、日常と違った晴の日。年中行事や祝祭日や婚礼、葬式などの人生儀礼の行われる日をいう。こういう日には、紋付の晴れ着を着ることが多かったので、近世以来、紋日という言い方が流行した。明治時代以降は、祝祭日に国旗を立てることになり、祝祭日を「旗日」とよんだのと同類の造語法である。[井之口章次]

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精選版 日本国語大辞典の解説

もん‐び【紋日】

〘名〙 (「ものび(物日)」の変化した語。「もんぴ」とも) 江戸時代、主として官許の遊里で五節供やその他特別の日と定められた日。この日遊女は必ず客をとらねばならず、揚代もこの日は特に高く、その他、祝儀など客も特別の出費を要した。一月は松の内、一一日、一五日、一六日、二〇日、続いて二月一〇日、三月三日、五月五日、七月七日、九月九日。吉原では三月一八日三社祭、六月朔日富士詣、七月一〇日四万六千日、八朔白無垢、八月一五日名月、九月一三日後の月、一二月一七・一八日浅草歳の市、など多かった。〔評判記・色道大鏡(1678)〕

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世界大百科事典内の紋日の言及

【遊郭(遊廓)】より

…遊女屋の建築も〈美麗に致すべからず〉と制限されながら,遊女の座敷はぜいたくで,中には3階建てもあった。遊客誘致のため,桜を植え,灯籠を飾り,にわか(俄)や踊りをみせる行事を企画し,その日は五節供などとともに物日(ものび)(紋日(もんび)ともいう)として揚代を割増しにした。明治以後は祝祭日などを紋日に扱った。…

※「紋日」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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