精選版 日本国語大辞典 「二挺」の意味・読み・例文・類語
に‐ちょう‥チャウ【二挺・二丁】
- 〘 名詞 〙
- ① 歌舞伎で、開幕一〇分ぐらい前に役者に出演の支度を促す合図として、頭取座の前で狂言方がちょんちょんと二つ打つ拍子木。また、その音。〔モダン辞典(1930)〕
- ② 歌舞伎芝居をしゃれていう語。江戸の歌舞伎劇場中村座は堺町に、市村座は葺屋町にあったので、その二つの町(ちょう)を合わせて二町といったのを、歌舞伎の二挺の拍子木にかけての称。
- [初出の実例]「化るのは二丁化かすは五丁也」(出典:雑俳・柳多留‐四九(1810))
- ③ 「にちょうつづみ(二挺鼓)」の略。
- [初出の実例]「今の舞子に小大の皷を拍つあり、目て二挺の舞子と云」(出典:随筆・守貞漫稿(1837‐53)一九)
- ④ 「にちょうだち(二挺立)」の略。