二頭出水(読み)ふたがしらですい

日本歴史地名大系 「二頭出水」の解説

二頭出水
ふたがしらですい

[現在地名]善通寺市生野町

善通寺第一高等学校西側にある。出水とは自然湧水、あるいは地下水位が高い場合人工的に掘削した用水源の一種で、泉と考えてよい。満水面積八〇〇立方メートル、貯水量一六〇〇トン。元禄六年(一六九三)の寺社帳に記載があったという(寛政九年「二タ頭出水取一件之事」善通寺文書)。江戸時代は多度たど生野いかの村の地内であったが、同村には取水権がなく、当時三吉田村と通称された同郡上吉田かみよしだ村・下吉田村・稲木いなぎ村に取水権が分有されていた。讃岐の出水は所在する村と用益村とが一致しない例が少なくなかった(「那珂郡池水台帳」漆原文書)

平常の年は取水権は先述の三吉田村にあったが、旱損年で善通寺のおお池が干上った場合にかぎり、同寺の古寺領分内の田畑にも取水権が生じる慣行であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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