井上紅梅(読み)イノウエ コウバイ

20世紀日本人名事典 「井上紅梅」の解説

井上 紅梅
イノウエ コウバイ

大正・昭和期の中国文学



没年
(生没年不詳)

出生地
東京

本名
井上 進

経歴
明治28年より寺田寅彦交際があり、その日記にS君として登場。大正2年上海に渡って放蕩生活をするが、10年「支那風俗」(全3巻)を刊行して注目される。また12年には「金瓶梅支那の社会状態」(全3巻)を刊行。昭和に入ってからは、改造社の「魯迅全集」などの翻訳に参加、また中国事情、中国文学などの紹介をした。他の著書に「中華万華鏡」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「井上紅梅」の意味・わかりやすい解説

井上紅梅
いのうえこうばい
(1881―1949)

中国文学者。本名進。明治14年東京生まれ。1913年(大正2)上海(シャンハイ)に渡って放蕩(ほうとう)生活を送り、『支那(しな)風俗』3巻などを著して中国風俗を紹介した。また『改造』『文芸』などに中国事情、作家の消息を精力的に紹介し、「シナ通」として知られた。ほかに、武田泰淳(たいじゅん)との共訳『支那辺疆(へんきょう)視察記』や翻訳『魯迅(ろじん)全集』1巻などを刊行した。

[川越泰博]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android