交える(読み)マジエル

デジタル大辞泉 「交える」の意味・読み・例文・類語

まじ・える〔まじへる〕【交える/雑える】

[動ア下一][文]まじ・ふ[ハ下二]
つけ加えて一つにする。加え入れる。「学生を―・えて討論する」「身ぶりを―・えて話す」「私情を―・えない仕事上の付き合い」
入りこませる。組み合わせる。「ひざを―・えて語り合う」
互いにやり合う。やりとりする。「砲火を―・える」「言葉を―・える」
[補説]室町時代以降はヤ行にも活用した。→交ゆ
[下接句]干戈かんかを交える語を交えるひざを交える兵刃へいじんを交える砲火を交える
[類語]交わす差し交わす

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「交える」の意味・読み・例文・類語

まじ・えるまじへる【交】

  1. 〘 他動詞 ア行下一(ハ下一) 〙
    [ 文語形 ]まじ・ふ 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙
  2. 加え入れて一つにする。入れまぜる。まぜ合わせる。
    1. [初出の実例]「ほととぎす汝が初声は吾れにもが五月の珠に交(まじへ)て貫かむ」(出典万葉集(8C後)一〇・一九三九)
    2. 「犬羊に参(マシフル)虎豹を以てし」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝院政期点(1080‐1110頃)一)
  3. 互いに組み合わせる。交差させる。また、ことばや約束などをとりかわす。かわす。
    1. [初出の実例]「情盤(みこころとけ)て楽(たのしび)極りて、間(マシフル)に言談(みものがたり)を以(したま)ふ」(出典:日本書紀(720)雄略即位前(前田本訓))
  4. 互いに武器などで攻め合う。「砲火をまじえる」
    1. [初出の実例]「陣を交(マじ)へて戦はむ時には」(出典:地蔵十輪経元慶七年点(883)三)

交えるの補助注記

( 1 )ハ行四段動詞「まじはる」の他動詞形で、ともに漢文訓読文に用いられた。これに対して平安時代の和文では「まじる」「まじらふ」「まず」「かはす」の用いられることが多い。
( 2 )室町時代ごろからヤ行にも活用した。→まじゆ(交)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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