今宿町
いまじゆくまち
谷村本村の北西にある町場。海浜に面し、唐津街道の宿駅でもあった。元禄国絵図には谷村の内として今宿町が記される。南北に延びる上町、その北側に接して東西に連なる横町、横町東の松原からなる。永禄期(一五五八―七〇)に原田氏によって町立てされ、谷から上町・横町への移住が始まったとされ、松原への定住は寛文二年(一六六二)に始まる(糸島郡誌)。徳永村北原で酒屋を営んでいた博多商人西村氏の一族は、寛文五年・同一二年と今宿へ出店した(「御供罷出庄屋百姓先祖申上口上之覚」鎌田家文書)。松原の東(東松原)には享保一二年(一七二七)に青木村から一二軒が移住した(続風土記附録)。享保期に博多での芝居興行を許可できないため、代りに今宿・早良郡姪浜などでの興行が認められた(「博多年代記」三宅家文書)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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