日本歴史地名大系 「伊勢ヶ坪城跡」の解説 伊勢ヶ坪城跡いせがつぼじようあと 広島県:広島市安佐北区大林村伊勢ヶ坪城跡[現在地名]安佐北区可部町大林根谷(ねのたに)川の東、大林(おおばやし)八幡神社東方の小高い丘にあり、県指定史跡「熊谷氏の遺跡」の一部。武蔵国熊谷(くまがや)郷(現埼玉県熊谷市)から三入(みいり)庄へ入部した熊谷氏の惣領家が最初に拠った城で、塩(しお)ヶ坪(つぼ)城ともいう。熊谷高直自筆同家先祖書(熊谷家文書)に「直時本城始、直祐新城始」とみえる。本城とは伊勢ヶ坪城、新城は祐直が築いた新庄熊谷氏の桐原(とげ)城である。伊勢ヶ坪城は、信直が惣領家の本拠を高松(たかまつ)城へ移すまで続いた。伊勢ヶ坪の名称を直接に記す史料は比較的遅く、元亀三年(一五七二)四月日付の熊谷信直書置状(同文書)で、直経の時、伊勢ヶ坪城が火災に遭ったが、焼失を免れた宝刀の奇瑞を述べている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報