朝日日本歴史人物事典 「伊奈忠宥」の解説
伊奈忠宥
生年:享保14(1729)
江戸中期の勘定奉行。宝暦4(1754)年9月関東郡代職世襲。同13年8月勘定吟味役兼帯。明和1(1764)年8月,幕府は中山道の増助郷を該当する村々に申し渡したが,これに反対し一揆が起きた(伝馬騒動)。一揆勢は江戸に押し寄せようとしたため,幕府は伊奈をして増助郷中止を申し渡させ,江戸進撃を中止させた。この功により同2年2月,勝手方勘定奉行(関東郡代兼帯)に抜擢。伝馬騒動を敏速に処理したことで知られるが,勘定奉行として明和期の幕府財政に果たした役割も看過できない。<参考文献>山田忠雄「伝馬騒動」(『一揆打毀しの運動構造』)
(安藤優一郎)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報