ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラマヌジャン」の意味・わかりやすい解説
ラマヌジャン
Ramanujan, Srinivasa (Aaiyangar)
[没]1920.4.26. クンバコナム
インド生まれの数学者。子供の頃からけたはずれの記憶力をもっていたという。 15歳のときには,友人が図書館で借りたジョージ・シューブリッジ・カーの『数学通論』 (2巻,1880~86) を読み,その内容を自分のものにしただけでなく,彼自身の定理をつくり,アイデアを展開した。 1903年マドラス大学の奨学生となることを保証されたが,数学以外のものを勉強する気はないと辞退。結婚 (1909) ののち,マドラスの商事会社の会計係となる。 1911年にインド数学会誌に最初の論文を発表してから,才能がしだいに認められ始め,地元の大学教授らの勧めで,1913年イギリスのゴドフリー・H.ハーディと文通。ハーディの援助でケンブリッジ大学の奨学金を得て,1914年イギリスに行き,ハーディの指導を受ける。研究は整数論を中心とするもので,論文はイギリスやヨーロッパの学会誌に発表された。独学のため,知識は一面的で,二重周期関数,2次形式,コーシーの定理などについてはなにも知らないことから,素数理論の定理の証明のなかには誤っているものもあるという。 1918年にはロンドン・ロイヤル・ソサエティの会員に選ばれた。
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