伊奈神社(読み)いなじんじや

日本歴史地名大系 「伊奈神社」の解説

伊奈神社
いなじんじや

[現在地名]小山町須走

須走すばしり市街の東端立山たちやま山麓の字下原しもつぱらにある。宝永四年(一七〇七)の富士山噴火による降砂被災地の復旧に尽力した幕府代官伊奈半左衛門忠順を祀る。慶応三年(一八六七)の伊奈半左衛門様御宮寄進帳(天野家文書)によれば、伊奈忠順は富士山噴火の被災民に二年余にわたり扶持米・五穀種物などを下し、またしばらくは無年貢として村々の復興に尽したという。その報恩のために慶応三年に阿多野あだの新田長右衛門と吉久保よしくぼ村丹治を発起人として祠の建立が計画され、翌四年に阿多野原に建立され、明治一一年(一八七八)に吉久保村水神社合祀された(北郷村誌)。創建時の棟札の裏書には古沢ふるさわ一幣司浅間いつぺいしせんげん神社の神職二名と須走の富士浅間神社の神職の名前が記され、続いて吉久保・小山・阿多野新田生土いきどなど一八ヵ村の名が記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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