伊波南哲（読み）イバ ナンテツ

20世紀日本人名事典

伊波 南哲
イバ ナンテツ

昭和期の詩人,小説家

生年

明治35(1902)年9月8日

没年

昭和51(1976)年12月28日

出生地

沖縄県八重山大浜間切登野城(現・石垣市)

本名

伊波 興英

学歴〔年〕

登野城尋常高等小学校卒

経歴

大正12年近衛兵として上京し、除退後警視庁に入り、昭和16年まで勤務。そのかたわら、佐藤惣之助に師事し、“詩之家”同人となって昭和2年「南国の白百合」を刊行。その後、郷土に密着した「沖縄の民族」「沖縄風土記」「沖縄風物詩集」などを発表し、11年長編叙事詩「オヤケ・アカハチ」を刊行、映画化された。16年には小説「交番日記」を刊行。戦後21年八重山に帰り、22〜28年石垣市教育厚生課長を務める傍ら、八重山童話協会を設立し、「八重山文化」などに詩を発表。その後上京し、各雑誌に詩や随筆を発表し、「虹」を主宰した。他の著書に詩集「銅羅の憂鬱」「伊波南哲詩集」「近衛兵物語」などがある。

出典　日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）

デジタル版 日本人名大辞典+Plus

伊波南哲 いば-なんてつ

1902－1976　昭和時代の詩人,作家。
明治35年9月8日生まれ。東京の丸の内警察署に勤務しながら,佐藤惣之助に師事。昭和11年の長編叙事詩「オヤケ・アカハチ」が代表作で映画化もされた。晩年は詩誌「虹」を主宰。昭和51年12月28日死去。74歳。沖縄県出身。本名は興英。著作に「交番日記」,詩集に「銅鑼(どら)の憂鬱(ゆううつ)」など。

出典　講談社