朝日日本歴史人物事典 「伊藤東所」の解説
伊藤東所
生年:享保15.8.24(1730.10.5)
江戸中期の儒学者。名は善韶,字は忠蔵。東所は号,別号施政堂。諡号修成先生。父は東涯,母は倉。京都出身。3男だが,長兄,次兄が夭折したので古義堂3代目塾主となる。東涯が死去したとき,東所は7歳。叔父蘭嵎が後見となって育てた。東所は『紹述先生詩文集』など東涯の遺著を校訂,出版することに努力。『古義抄翼』など独自の著作も多く,古義学説を平易に理解させることに努めたが,学説上の新説に乏しい。すべて未刊。茄子が嫌いで母の料理したものを呑みこむのに苦労したという。<参考文献>南部絹代「伊藤東所の思想」(『日本思想史への試論』)
(三宅正彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報