コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

家学 かがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

家学
かがく

特定の家に伝えられた特定の学問,またはその流派。大宝令の学制では,人材登用主義に基づいて,大学寮の四道 (紀伝明経明法,算) の各学科ごとに教官が任命されたが,平安時代中期頃から次第に一定の家系の出身者に限定され,それらの家が特定の学問を伝えるようになった。紀伝 (文章) 道では菅原氏,大江氏藤原氏の南家,式家,北家日野流の5家が文章博士に任じられ,各家の家学が確立した。また明経道中原氏,清原氏明法道惟宗氏,坂上氏,中原氏,算道の家原氏,大蔵氏,小槻氏,三善氏などもそれぞれ家学を形成した。鎌倉時代には歌学が,江戸時代には新しい学問である儒学や経世学などが,それぞれ一つの家学として伝えられるようになった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

かがく【家学】

ひとつの家で世代から世代へとつたえられる伝統的学問。
[中国]
 漢代では何世代にもわたって経学をつたえた家として,孔子の子孫という魯国魯(山東省曲阜県)の孔氏,漢初に《尚書》を伝えた伏生にはじまる琅邪東武(山東省諸城県)の伏氏,伏生の弟子の欧陽生にはじまる楽安千乗(山東省高苑県)の欧陽氏,桓栄にはじまる沛郡竜亢(はいぐんりゆうこう)(安徽省懐遠県)の桓氏などが有名である。たとえば《尚書》を専門とした欧陽氏の学問は〈尚書欧陽氏学〉とよばれ,8代にわたって太学の博士をつとめた。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

家学
かがく

ある特定の家で代々とくにうけ伝えられる学問。平安中期以後、大学寮の博士(はかせ)家に伝承された学問を主とする。文章道(もんじょうどう)の菅原(すがわら)・大江氏、藤原氏の南家・式家・北家日野流、明経(みょうぎょう)道の中原・清原氏、明法(みょうぼう)道の坂上(さかのうえ)・中原氏、算道の小槻(おづき)・三善(みよし)氏、医道の丹波(たんば)・和気(わけ)氏など。有職(ゆうそく)学の小野宮(おののみや)・九条(くじょう)家・小一条(こいちじょう)家流は藤原氏の実頼(さねより)・師輔(もろすけ)・師尹(もろただ)から始まった。鎌倉時代には、歌学の二条・京極(きょうごく)・冷泉(れいぜい)3家をはじめ、書道、雅楽などの芸能にも家学があった。江戸時代には、儒学で朱子学の林(りん)家、古学の伊藤仁斎(じんさい)家、歌学の北村家等々である。菅原道真(みちざね)が学問を「家業」(菅家文草(かんけぶんそう))、大江匡衡(まさひら)が「家々説」(江吏部集(ごうりほうしゅう))とよんでいるのも、家学の成立を意味している。[山中 裕]
『桃裕行著『上代学制の研究』(1947・目黒書店/再版・1983・吉川弘文館)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の家学の言及

【秘伝】より

…伝授関係において相伝される内容が特別のものであることを示す用語,またその伝授の方法をいう。すでに奈良・平安期以来の仏教教学や学問諸道の家学にみられ,室町末の《日葡辞書》には〈かくし伝ゆる,すなわち隠(かく)いて教ゆる,こっそりと教えること〉と語釈がみえる。類義語に秘事口伝,秘説,密伝,奥説などがある。…

※「家学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

家学の関連キーワード竹内東門(2代)荒木田久守植木挙因大江音人羽倉信美鳥山香軒篠崎竹陰池田瑞仙皆川篁斎松浦琴鶴香川景恒河村秀世鈴木遺音橘東世子菅沼西陵伊藤輶軒西島城山深井象山山田慥斎吉益恬庵

今日のキーワード

スタットキャスト

大リーグの全30球場に高精度カメラやレーダーを設置し、ボールや選手の動きを細かく分析。走攻守全てで、これまで分からなかったデータを解析し、試合やチーム作りに生かせる。例えば投手では、投げる球種の回転数...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

家学の関連情報