化学辞典 第2版 「伝導度滴定」の解説
伝導度滴定
デンドウドテキテイ
conductometric titration
滴定の進行に伴う電解質溶液の電気伝導率の変化を利用して,滴定の終点を決定する滴定法.溶液の電気伝導率は温度,圧力が一定ならば,溶液中のイオンの種類と濃度によって決まる.したがって,滴定の進行に伴ってイオンの種類あるいは濃度が変化する場合には,溶液の電気伝導率の変化を測定して滴定反応の過程を追跡し,滴定の終点を求めることができる.普通の化学分析に用いられる中和,酸化還元,沈殿生成,錯形成などの反応は上記の条件を満たしている.溶液の電気伝導率の測定は2枚の白金板あるいは白金黒付白金板を電極とし,コールラウシュ・ブリッジを用いて行われる.直流を用いると電解や分極が起こるので低周波数の交流(数十~数千 Hz)を使用するのが普通である.この滴定法は,滴定指示薬の使用が困難な着色溶液の滴定や,非水溶液中での滴定などにとくに有効である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報