沈殿滴定(読み)チンデンテキテイ(その他表記)precipitation titration

化学辞典 第2版 「沈殿滴定」の解説

沈殿滴定
チンデンテキテイ
precipitation titration

難溶性塩を沈殿させる滴定.とくに陰イオン容量分析に用いられる.ハロゲン化銀の沈殿生成はハロゲン化物定量に広く用いられ,塩化物モール法,あるいはフォルハルト法として知られる.このほか,バリウムイオンを用いて,SO42-を定量する方法,トリウムイオンでフッ化物を定量する方法などがある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「沈殿滴定」の意味・わかりやすい解説

沈殿滴定
ちんでんてきてい
precipitation titration

容量分析の一種で、沈殿生成反応を利用する滴定。目的成分とのみほぼ完全に反応して難溶性の沈殿をつくる物質標準液として滴定を行う。反応の終点肉眼で判定できる場合もあるが、普通は指示薬を用いるか、光学的または電気的手段によって求める。終点までに要した標準液の容積から目的成分の量を算出する。生ずる沈殿の溶解度が小さいほど正確な結果が得られる。

[高田健夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の沈殿滴定の言及

【滴定】より

…一般に滴定法が可能となるためには,当量点においてなんらかの量が急変することが条件となる。上では沈殿滴定の例をみてきたが,酸と塩基の反応を利用する中和滴定ではプロトンの濃度(pH),酸化還元滴定では電子を授受する化学種の濃度(電位に関係),キレート滴定では金属イオンまたはそれと錯体をつくる化合物(配位子)の濃度などが大きく変わる。それに伴う測定物理量から分類すると,電位差滴定,光度滴定,伝導度滴定,温度滴定,電流滴定などがある。…

※「沈殿滴定」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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