佐土原・佐土原郷(読み)さどわら・さどわらごう

日本歴史地名大系 「佐土原・佐土原郷」の解説

佐土原・佐土原郷
さどわら・さどわらごう

鎌倉時代からみえ地名・郷名。国富くどみ庄に含まれていた。東流する一ッ瀬川の南岸、現佐土原町上田島かみたじま付近に比定されるが、支配領域としての佐土原・佐土原領の呼称はより広域の範囲をさすとみられる。伊東氏の根幹の城である佐土原城があり、文献史料に登場する室町時代から戦国時代にかけての佐土原の記載はこの城をさすことが多い(→佐土原城跡

建久図田帳によると八条女院領国富庄一円庄のうちに児湯こゆ郡内の「佐土原十五丁」がみえ、地頭は土持太郎信綱(宣綱)であった。南北朝期頃の田数を伝えるとみられる「日向記」所載の国富庄二一ヵ郷のうちに佐土原三〇町がみえる。元弘三年(一三三三)一〇月四日の足利尊氏寄進状写(「石清水八幡宮旧記抄」所収文書)によれば、国富庄内佐土原郷が山城石清水いわしみず八幡宮に寄進されている。この寄進とかかわる年月日未詳の武家寄進地注文写(同文書)には、全国の寄進地の冒頭に「日向国左土原」がみえる。寄進者のなかには上杉氏・吉良氏・細川氏がみえることから、鎌倉幕府崩壊後にこれらの当主足利氏の所領となって寄進されたことが判明する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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