佐官(読み)サカン

精選版 日本国語大辞典 「佐官」の意味・読み・例文・類語

さ‐かん‥クヮン【佐官】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 僧綱(そうごう)の下にあって、記録などの事務をつかさどる僧。僧綱の録事。
    1. [初出の実例]「其佐官〈謂。僧綱之録事也〉以上及三綱」(出典:令義解(718)僧尼)
  3. もと陸海軍の武官の階級。大佐・中佐・少佐の総称。将官の下、尉官の上。また、自衛官の階級で、一、二、三佐の総称。
    1. [初出の実例]「海軍佐官を勤むる忰に家を譲って」(出典:黒潮(1902‐05)〈徳富蘆花〉一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の佐官の言及

【軍隊】より

…階級も,国によって細部は異なるが,尉官(少尉から大尉まで。小隊長・中隊長級),佐官(少佐から大佐まで。大隊長・連隊長級),将官(少将から大将まで。…

【僧綱】より

…624年(推古32)ある僧が斧で祖父をなぐった事件を契機に,百済の僧観勒(かんろく)を僧正(そうじよう),鞍部徳積(くらつくりのとくしやく)を僧都に任じたのが制度的な始まりである。律令制下では僧正,大僧都,少僧都,律師および実務を担当する佐官からなる機構であった。僧尼令によると,僧綱は治部(じぶ)省玄蕃(げんば)寮の統属下にあって,その職務は僧尼名籍と寺院資財の管理,〈法務の綱維〉とよばれる僧尼の統轄や教学の振興をおもな内容とした。…

※「佐官」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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