佐藤周軒(読み)さとう・しゅうけん

朝日日本歴史人物事典 「佐藤周軒」の解説

佐藤周軒

没年寛保1.7.17(1741.8.27)
生年:寛文5(1665)
江戸時代中期の儒学者。岩村藩(岐阜県)藩士。名は広義,通称勘平。周軒は号,晩年塵也と号す。江戸の人。その家は代々武を以てきこえた。朱子学を後藤松軒に学んだ。柳沢吉保大名にとり立てられたとき,広く名士招き,周軒を禄300石で招聘しようとしたが受けず,その後師松軒の推薦で20人扶持で岩村藩に儒者として仕えた。その性格は豪放簾直,藩世子の傅となり,世子松平乗賢襲封後は抜擢され老職として300石を受けた。朱子学を奉じ朱子の『文公家礼』にもとづいて『本邦祭儀』を著し,また『四書参考』『小学参考』も著す。家は代々続き佐藤一斎は周軒の曾孫。江戸にて没す。<参考文献>原念斎先哲叢談』5巻

(沼田哲)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「佐藤周軒」の解説

佐藤周軒 さとう-しゅうけん

1665-1741 江戸時代前期-中期の武士,儒者。
寛文5年生まれ。後藤松軒にまなび,元禄(げんろく)15年美濃(みの)(岐阜県)岩村藩の儒員となる。松平乗賢(のりかた)の養育係をへて家老にすすむ。曾孫に佐藤一斎(いっさい)。寛保(かんぽう)元年7月17日死去。77歳。江戸出身。名は広義。通称は勘平。別号に塵也。著作に「本邦祭義」「四書参考」「小学参考」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android