日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラ・ペルーズ」の意味・わかりやすい解説
ラ・ペルーズ
らぺるーず
Jean-François de Galaup, Comte de La Pérouse
(1741―1788?)
フランスの海軍軍人、海洋探検家。宗谷海峡(そうやかいきょう)(ラ・ペルーズ海峡)の発見者。ルイ16世の命でフランス政府派遣の探検隊長となり、太平洋諸海域の探検を行った。目的は地理的探検と、太平洋からのいわゆる「北西航路」の発見であった。1785年8月、フリゲート艦ラ・ブソル号とラ・アストロラーブ号を率いてブレストを出港した。北はアラスカ、カムチャツカ半島沿岸、東はカリフォルニア沿岸、西は日本海、沿海州沿岸を含む日本近海、フィリピン諸島、マカオ(澳門)、サンドイッチ諸島(ハワイ諸島)に及ぶ太平洋の広大な海域を探検した。とくに注目されるのは1787年、北海道と樺太(からふと)(サハリン)を分けるラ・ペルーズ海峡の発見である。1788年1月、オーストラリア、シドニー南縁のボタニー湾からの連絡を最後に消息を断った。両艦は1828年になって、サンタ・クルーズ諸島のバニコロ礁で難破しているのが発見された。あらかじめ本国に送られていた資料、ノートによって『世界周航記』(1797)が編纂(へんさん)されている。
[半澤正男]