余田(読み)ヨデン

デジタル大辞泉 「余田」の意味・読み・例文・類語

よ‐でん【余田】

荘園制で、土地台帳に載せられていない田。一般に地利が低く、地子じしは納めるが公事くじ負担しない。

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精選版 日本国語大辞典 「余田」の意味・読み・例文・類語

よ‐でん【余田】

〘名〙 平安時代以降から中世にかけて、荘園に本来認められている田地以外の田。台帳記載以外の田で、これが公認されると加納あるいは加納余田加納田と呼ばれる。
吾妻鏡‐建久元年(1190)四月一九日「報恩寺、同余田」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「余田」の意味・わかりやすい解説

余田
よでん

荘園制において,名田からはずされた田のこと。収穫の少い百姓治田,新開田多く地子を納めたが公事の負担はなかった。

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世界大百科事典(旧版)内の余田の言及

【加納】より

…11~12世紀の荘園発展期において,荘地拡大の一手段として,荘民が出作している公田や,荘内に一部入作している公民の耕作する公田等を,荘田と主張し本免田(免田)の付属地として荘内にとり込むことをいい,そのような田地を加納田という。本免田を本田というのに対して,加納田は加納余田ないし単に余田ともいう。1069年の延久の荘園整理令は,1045年の寛徳整理令以後の新立荘園の停廃とともに,このような加納余田の収公を眼目としたが,院政期には新立荘園が増加するとともに,既存の荘園は広大な加納田を加えて,一円不輸の荘園として確立していった。…

※「余田」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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