使役動詞(読み)しえきどうし(英語表記)causative verb

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「使役動詞」の意味・わかりやすい解説

使役動詞
しえきどうし
causative verb

英語の He made the girls cry. (彼は女の子を泣かせた) の made (←make) のように,他の動詞とともに用いて「~させる」の意味を与える動詞。さらに,make fall (倒れさせる→倒す) の意味を一語で表わす fell (倒す) のようなものも使役動詞ということがある。なお,言語によっては使役の意味を接辞で表わす言語もあり,その場合には,動詞の一つの相として扱われる。現代日本語では使役の助動詞 (実は接尾辞) 「せる」「させる」などが動詞語幹に接尾し,その全体が他の動詞と同じように活用する。

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百科事典マイペディア 「使役動詞」の意味・わかりやすい解説

使役動詞【しえきどうし】

動詞形の一つ。ある行為他者に行わせることを示す。本来自動詞から分離したもので,音韻の変化によって区別された(たとえば英語のlie‖lay,ドイツ語のsitzen‖setzen)。自動詞をそのまま他動詞として用い,使役の意味を表すことも多い。サンスクリットなどでは日本語の〈せる〉〈させる〉のような一定の接尾辞をもつ。また,英語のcause,let,makeなどのように,行為の具体的内容は後続不定詞で表す動詞は使役助動詞とも呼ばれる。

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