世界の諺(読み)せかいのことわざ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

世界の諺
せかいのことわざ

いくら変わっても同じこと Plus a change, plus c'est la mme chose.(フランス)
 表面的にはいくら変化しても本質は変わらないということ。
意志をもつ者に力あり Celui qui veut, celui-l peut.(フランス)
 英語のWhere there's a will, there's a way.にあたる。精神一到何事か成らざらんと同意。
一を知って十を知る Ab uno disce omnes.(ラテン)
 ウェルギリウスの『アエネイス』に出てくることば。理解の早さ、洞察力の鋭さの形容。
一杯目は棒杭(ぼうぐい)、二杯目は鷹(たか)、三杯以後は小鳥さん Первая рюмка колом,а вторая соколом,прочие мелкими пташками.(ロシア)
 強い酒ウォツカは、初めはのどにきついが、しだいにまろやかになっていく。
(うわさ)の狼(おおかみ) Lupus in fabula.(ラテン)
 噂をすれば狼が現れる、悪魔の噂をすれば悪魔が現れる。
外観では人は信じられぬ Fronti nulla fides.(ラテン)
 人は見かけによらぬもの。
かつては悪徳だったものが、いまは流行に変じている Quae fuerant vitia mores sunt.(ラテン)
 セネカの書簡集にあることば。
壁に耳あり Les murailles ont des oreilles.(フランス)
 秘密の漏れやすいたとえ。障子に目、石に口などと同じ。
神が愛する者は若くして死ぬ Quem di diligunt adolescens moritur.(ラテン)
神、田園をつくり、人、町をつくる God made the country, and man made the town.(イギリス)
 田園の緑の美しさと、都会の人工美を対比させたことば。
神は自ら助くものを助く Aide-toi et Dieu t'aidera.(フランス)
 ラ・フォンテーヌの『寓話(ぐうわ)』のなかに出てくることば。
カリブディスから逃れようとしてスキラの餌食(えじき)となる Incidis in Scyllam cupiens vitare Charybdim.(ラテン)
 カリブディスとはイタリアのメッシーナ海峡の渦で、スキラはその近くの岩。前門の狼(おおかみ)、後門の虎(とら)と同じ。
簡潔こそ機知の魂 Brevity is the soul of wit.(イギリス)
 シェークスピアのことばで、機知のよさは短きにあるということ。
教会に近づけば近づくほど神より遠ざかる The nearer the church the farther from God.(イギリス)
 見かけの信心は本当の信仰ではないということ。
教会は近いが神は遠い Близко церковь,да далко от Бога.(ロシア)
 いくら信仰心があっても、地上の教会はなかなかこたえてはくれない。
繰り返していえばロバもわかる (アラブ)
 宣伝の妙は反復にありというたとえ。
経験は恐れをよぶ Expertus metuit.(ラテン)
 英語ではA burnt child dreads the fire.つまり、あつものに懲りて膾(なます)を吹くということ。
芸術は長く、人生は短し Ars longa, vita brevis.(ラテン)
 セネカのことばだが、もともとは、ギリシアの医者ヒポクラテスの、医学の修業は長いということばからきたもの。
現金に勝る良薬なし Argent comptant porte mdecine.(フランス)
国民の福祉こそ最高の法 Salus populi suprema est lex.(ラテン)
 キケロのことばで、アメリカのミズーリ州のモットーとなっている。
この世には新しきものなし Nihil sub sole novum.(ラテン)
 聖書の「伝道の書」のことば。英語ではThere's nothing new under the sun.
この世の栄光はなんとすばやく去ることか! O quam cito transit gloria mundi !(ラテン)
 トマス・ア・ケンピスのことば。
転がる石には苔(こけ)がつかない A rolling stone gathers no moss.(イギリス)
 もともとは、仕事を変えてばかりいてはだめだという意味だったが、アメリカでは、絶えず動き回れば錆(さび)つかないという意味に転化している。
最後に笑うものがよく笑う Rira bien qui rira le dernier.(フランス)
 英語ではHe laughs best who laughs last.
地獄への道はたやすい Facilis descensus Averno.(ラテン)
 Avernusとは地獄の入口。悪へ落ちるのはたやすいの意。
死者は噛(か)みつかず Nekros ou daknei.(ギリシア)
 死者は嘘(うそ)をつかないということ。
詩人はつくられずして生まれたるものなり Poeta nascitur, non fit.(ラテン)
 雄弁家についても同様なことがいわれる。
七時前の雨は十一時までには晴れる Rain before seven, fine before eleven.(イギリス)
 マザー・グースに出てくる表現で、イギリスの天候の特色を表している。口調のよさに注目したい。
死はすべてのものを平等にする Omnia mors aequat.(ラテン)
 英語のDeath renders all equal.にあたる。
知らせなければ吉報 Nulla nuova, buona nuova.(イタリア)
 無事に便りなしということ。
真実はかならずしもありえそうなものではない Le vrai n'est pas toujours vraisemblable.(フランス)
 事実は小説よりも奇なり。
優れたホメロスさえ、ときには居眠りをする Aliquando bonus dormitat Homerus.(ラテン)
 弘法(こうぼう)にも筆の誤り、猿も木から落ちるの同類。
(せみ)は蝉に惹(ひ)かれ、蟻(あり)は蟻に惹かれる Cicada cicadae cara, formicae formica.(ラテン)
 英語のLike draws to like.同気相求むと同じ意味。
黙っていれば同意も同じ Qui tacet consentire videtur.(ラテン)
 英語ではSilence gives consent.
中道を行けばもっとも安全 Medio tutissimus ibis.(ラテン)
 オウィディウスの『転身譜』のことば。
沈黙を守っても大声で叫ぶ Cum tacent, clamant.(ラテン)
 キケロのことば。沈黙はかえって多弁という意味。
天使が足を踏み入れるのを恐れるところに、愚者は駆け込む Fools rush in where angels fear to tread.(イギリス)
 詩人ポープのことば。愚者は、知恵のある人がしりごみするようなことを平気でするということ。
時に応じて気晴らしをせよ。精神は疲れると盲目になる (アラブ)
 笑いやユーモアの必要性を説いたもの。
時は飛び去る Fugit hora.(ラテン)
 英語のTime flies like an arrow.光陰矢のごとし。
どの雲にも銀の裏地がついている Every cloud has a silver lining.(イギリス)
 黒い雨雲もその裏は白く輝いている。不運のなかにも一縷(いちる)の希望があるということ。
ナポリを見てから死ね Vedi Napoli e poi mori.(イタリア)
 日光を見ずして結構というなと同類。
習うより慣れろ Practice makes perfect.(イギリス)
 日々のたゆまぬ研鑽(けんさん)が成功を導くということ。
なるようにしかならぬ Che sra, sra.(イタリア)
 英語ではWhat will be will be.
人間とは食べるものそのもの Der Mensch ist was er isst.(ドイツ)
 人間はその人が何を食べるかでわかる。
人間は誤るもの Hominis est errase.(ラテン)
 キケロの演説に出てくることば。英語でTo err is human.
馬上の人の後ろに黒い心配が座る Post equitem sedet atra cura.(ラテン)
 馬上にある金持ちにも心配は付き物だという意。ホラティウスのことば。
はぶりのよいときに友は群がる Felicitas multos habet amicos.(ラテン)
 友人が集まるのは景気のよいときだけということ。
早いもの勝ち Prior tempore, prior jure.(ラテン)
 英語のFirst come, first served.にあたる。
不在者は悪者扱い Gli assenti hanno torto.(イタリア)
 英語ではThe absent party is still in the wrong.つまり欠席裁判。
ブルータス、お前もか! Et tu, Brute!(ラテン)
 シーザーの最後のことば。親愛な友に裏切られたときに用いられる。
翻訳者は裏切り者 Traduttori traditori.(イタリア)
 十全な翻訳は不可能だということ。
(みつ)があるところには蜂(はち)がいる Ubi mel, ibi apes.(ラテン)
 魅力的なものがあるところにはかならず賞賛者がいるものだ。
名酒は看板を要せず A buon vino non bisogna frasca.(イタリア)
 よい酒はことさらに看板を出さなくてもよく売れる。
屋敷を買うな、隣人を買え Не купи двора,купи соседа.(ロシア)
 いざというときに頼りになるのは隣人。遠い親戚(しんせき)より近くの他人という意味。
ユダヤ人は、足を折っても「片足でよかった」、両足を折っても「首でなくてよかった」 (イスラエル)
 やせがまん的な楽天主義。
よく跳ぶために後ろへ下がれ Reculer pour mieux sauter.(フランス)
 好機を待てということ。
礼儀が人をつくる Manners make a man.(イギリス)
 行儀作法が人の運不運のもとになることがある。
恋愛と煙は隠しえない L'amour et la fume ne peuvent se cacher.(フランス)
 密事(みそかごと)もかならず露見するということ。
私の後(あと)は大洪水 Aprs moi le dluge.(フランス)
 あとは野となれ山となれということ。ルイ15世がドイツ軍に敗れたときのことば。[船戸英夫]

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