依上保(読み)よりかみほ

日本歴史地名大系 「依上保」の解説

依上保
よりかみほ

久慈川中流地帯の山間部、ほぼ現在の大子町域にあった中世の保。「和名抄」の陸奥国白河郡に依上郷がみえる。「続日本後紀」承和三年(八三六)一月二五日条に「詔奉陸奥国白河郡従五位下勲十等八溝黄金神封戸二烟、以国司之祷、令得砂金、其数倍常、能助遣唐之資也」とあり、古代から金の産地で、そのため陸奥国府直轄領とされたとも考えられる。しかしそれを明確に裏付ける史料はない。

建武元年(一三三四)三月一八日の後醍醐天皇綸旨案(伊勢結城文書)により、建武中興後この保が陸奥将軍府の直轄地として北畠顕家に与えられたことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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