精選版 日本国語大辞典 「信牌」の意味・読み・例文・類語 しん‐ぱい【信牌】 〘 名詞 〙 ( 「牌」は、ふだの意 )① 江戸幕府が、貿易のために日本へ来る中国の商人に交付した通商免許としての割符のこと。正徳五年(一七一五)の「海舶互市新例」の制によるもの。[初出の実例]「我国の法を奉ぜむと申すものどもには、信牌(シンパイ)を分ち給りて、此後来り商せむ事をゆるされ」(出典:随筆・折たく柴の記(1716頃)下)② 中国で、官吏が公務を執行するときに所持する身分証明の札。〔日知録‐巻三二・信〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
改訂新版 世界大百科事典 「信牌」の意味・わかりやすい解説 信牌 (しんぱい) 江戸幕府発行の貿易許可証明書。長崎通商照票ともいう。いわゆる正徳新例(海舶互市新例)で定めた唐船の年度の貿易総銀額,船数を維持するため1715年(正徳5)から唐通事に作成させ,長崎に来航する唐船頭(一船を代表する有力商人)に与えた。鳥子大高檀紙(とりのこおおたかだんし)に受領者名・起帆地・貿易銀額のほか,信牌を持参しない者には貿易を許さぬこと,貿易規制に違反した者には信牌を与えぬことなどを明記した。譲渡は有効。原則として一度使用すれば効力を失う。執筆者:山脇 悌二郎 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by