修学院経塚(読み)しゆがくいんきようづか

日本歴史地名大系 「修学院経塚」の解説

修学院経塚
しゆがくいんきようづか

[現在地名]左京区修学院丸子青良ヶ谷町

四明しめだけから西南西へ延びる尾根上、山頂から約一八〇メートル低い位置にあり、京都盆地を一望におさめる。本経塚と山頂との間に四明ヶ岳経塚がある。

経塚の場所は古くから千種塚ちぐさづかとよばれ、小墳丘があった。大正七年(一九一八)この地に雲母坂きららざかで討死した南朝方の千種忠顕の碑を建てる際、墳丘を削平し、その下から経塚遺物が発見された。経塚は二基の小石室からなり、現在碑が建っている直下にあった。二石室はほぼ同様の規模・構造で約三八センチ四方の割石積み。天井石は一基のみに残存していたが、一個の板石であった。

二基とも石室内にはともに陶製経筒が納められていた。一基にはいわゆる高麗青磁の合子が添えてあり、経筒内には鈕の右に「湖州真正方家、煉銅無比照子」と銘のある直径約一〇センチの銅鏡と、刀子が副葬されていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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