偽典(読み)ぎてん(その他表記)Pseudepigrapha

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「偽典」の意味・わかりやすい解説

偽典
ぎてん
Pseudepigrapha

主として前 200年より 150年までの期間に,権威を高めるために実際の著者以外の名を用いて著わされた諸文書のうち,旧約聖書正典 Canonおよび経典外聖書 (経外典ともいう) Apocryphaに含まれていないもの。『アリステアスの手紙』『ヨベルの書』『イザヤ殉教昇天』『ソロモン詩編』『第3,第4マカベア書』『シビルの神託』『第1,第2エノク書』『モーセの昇天』『バルク黙示録』 (2種) ,『十二族長の遺言』など。ただしカトリック教会では,プロテスタントのいう外典も第2正典として正典に含めているので,プロテスタントのいう偽典は経外典 (外典) と呼ばれている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android