朝日日本歴史人物事典 「備中屋長左衛門」の解説
備中屋長左衛門
紀伊国(和歌山県)田辺町方の炭問屋。元禄年間(1688~1704)に硬木の姥女樫を1000℃以上の高温で焼いた,火力の強い備長炭を創始した,あるいは売り広めたといわれている。しかし備長炭の創始者については諸説あり,決めがたい。一説に,万治年間(1658~61)に紀伊国日高郡高津屋(和歌山県中津村)の人,大津屋市右衛門の創業によるともいうが,これは備中屋長左衛門の誤伝であろう。また元禄年間に秋津川(田辺市)の炭焼き吉三が創出したという盆踊り歌も,同地方にある。<参考文献>安藤精一編『和歌山県の文化財』
(安藤精一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報