先々(読み)さきざき

精選版 日本国語大辞典 「先々」の意味・読み・例文・類語

さき‐ざき【先先・前前】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 現在以前の時。過去の時。まえまえ。
    1. [初出の実例]「詔曰〈略〉又先々にも法師等をして呪咀せしむと云人多あり」(出典:続日本後紀‐承和九年(842)七月乙卯・宣命)
  3. いまよりあと。将来。あとあと。行くすえ。
    1. [初出の実例]「此合戦に一足も退たらん者は、縦(たとい)先々抜群の忠ありと云とも、無に処して本領を没収し」(出典太平記(14C後)一七)
  4. 行く方々の場所。行こうとする場所場所。
    1. [初出の実例]「行くさきさきの風景を愛して」(出典:中華若木詩抄(1520頃)下)
  5. いちばん前。先頭
    1. [初出の実例]「定平朝臣是を請取て、高手小手に誡(いまし)め、伝馬の鞍坪に縛屈(かがめ)て、数万官軍の前々を追立させ」(出典:太平記(14C後)一一)

せん‐ぜん【先前・先先】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「せんせん」とも ) さきざき。まえまえ。まえかた。前前(ぜんぜん)
    1. [初出の実例]「命云、先々大臣遅参如此者」(出典:御堂関白記‐寛弘九年(1012)正月二七日)
    2. 「むむ、すりゃ先々(センゼン)より申し入れし、拙者を差しおき、あの外へ」(出典:歌舞伎・櫓太鼓鳴音吉原(1866)序幕)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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