光勝院(読み)こうしよういん

日本歴史地名大系 「光勝院」の解説

光勝院
こうしよういん

[現在地名]鳴門市大麻町萩原

撫養むや街道北の阿讃あさん山脈麓にある。南明山補陀洛ふだらく寺と号し、臨済宗妙心寺派。本尊白衣観音。当院は貞治二年(一三六三)二月二〇日に守護細川頼之によって、観応三年(一三五二)閏二月二〇日に戦死した父頼春(光勝院)菩提所として、現土成どなり秋月あきづきの地に細川和氏が暦応二年(一三三九)九月に創建した補陀ふだ寺のそばに建てられ、春屋妙葩が開山とされた(光勝院縁起略、「妙葩阿州補陀寺光勝院宝殿慶讃法語」智覚普明国師語録)補陀寺の開山には夢窓疎石が請じられていたが、実際には和氏の五男で細川頼之猶子の笑山周が開山であった。補陀寺創建の頃足利尊氏・直義により各国に安国寺の建立が進められていたことから、補陀寺が阿波の安国寺に当てられて「安国補陀寺」と号した(光勝院縁起略、「阿波州安国補陀寺仏殿梁牌」夢窓国師語録拾遺など)。光勝院がいつ頃現在の寺地に移されたかについては、康安元年(一三六一)夢窓は萩原はぎわら北岳に一舎を結んで移り、頼之はその徳を慕い先君の霊廟を萩原に移したとする伝承から頼之の代に移転したとされている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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