白衣観音(読み)びゃくえかんのん(英語表記)Pāṇḍaravāsinī

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

白衣観音
びゃくえかんのん
Pāṇḍaravāsinī

白衣,白処観音ともいう。白 pāṇḍaraは清浄菩提心を表し,胎蔵界曼荼羅観音院では部母 (ぶも) ともされている。また三十三観音の一つとして,白衣を着け,左手に蓮華を持ち蓮華の座にいる。息災延命功徳がある。

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百科事典マイペディアの解説

白衣観音【びゃくえかんのん】

吉祥を表す観世音菩薩で,中世以降は三十三観音の一つとされた。息災延命や安産,育児などの祈願の本尊に用いる。尊形は,一面二臂(ひ),肉身白黄色,白衣をまとう。本来白の蓮華上に座すが,禅宗では水辺の岩上に座した姿で水墨画の好画題となる。牧谿(もっけい)筆(大徳寺),能阿弥筆(溝口家)などが著名。

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世界大百科事典 第2版の解説

びゃくえかんのん【白衣観音】

観音菩薩のかぎりない慈悲の心は白処に住むとするところから,白処尊菩薩とも呼ばれて信仰されてきたが,とくに補(普)陀落山(ふだらくせん)(ポータラカ)中の清流岩上に身をゆだねて思索する瞑想の世界は,白衣に象徴される清澄な境涯とともに禅的境地の顕現として禅宗にとり入れられた。そこでは過去の儀軌にとらわれることなく,三十三身に変化して一切の苦悩を消散せしめ,不吉を転じて吉祥となす観音のもつ自在性が尊重されたのである。

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大辞林 第三版の解説

びゃくえかんのん【白衣観音】

〘仏〙 胎蔵界曼荼羅まんだら観音院の外列最下に位置する観音。三十三観音の一ともされる。大白衣観音。

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世界大百科事典内の白衣観音の言及

【観音】より

…密教の聖観音では,胎蔵界曼荼羅観音院に描かれる,左手に蓮茎を持つ姿の像が多く造られた。変化観音には前述の六観音のほかに白衣観音と水月観音が,画技をよくする禅僧によって水墨画として鎌倉・室町時代に多数描かれた。これらは礼拝の対象となる本尊画とみなされるより筆者の精神の表出が注目されていた。…

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