天体から出た光が地球に届くまでの時間間隔。太陽と地球の平均距離である1天文単位を光が通り過ぎる光差は天文学の基本常数の一つであるが,金星などのレーダー観測から求められた499.004782秒が1976年の国際天文学連合の公式採用値となった。kmで表した1天文単位の長さは,これまでの光学的な望遠鏡の位置観測の結果からでは,有効数字が6桁程度の精度のものしか求められなかったが,光の速度を299792.458km/sとすると,上記の数値から太陽と地球の平均距離(すなわち天文単位)は1億4959万7870kmとなる。太陽以外の他の惑星と地球との光差は,天文単位で示したその距離と1天文単位に対する光差をかけて求められる。
執筆者:古川 麒一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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