世界各国の天文学者間の情報連絡がスムーズに行われ、また国際的な協力による研究を進めることを目的とする組織。略称IAU。本部はパリにおかれている。第一次世界大戦後の1919年7月、ベルギーのブリュッセルで開かれた会議において設立された。設立時には19か国100人余りであったが、天文学の発展とともに急速な増大を示し、2014年時点では約100か国約1万人のメンバーを有する。そして天文学の分野ごとに委員会が設けられ、その数も約50になった。総会は3年に1回開かれ、そこでは会長の選出など事務的なものも行われるが、大部分は多様な研究成果の報告が占める。総会以外には各委員会主催のシンポジウムがあり、天文学上の重要な定数の決定や天体の命名なども行う。さらに天文学の普及のための活動や若手研究者への研究費の補助など、多様な活動を展開している。
[磯部琇三・宮内良子 2015年5月19日]
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…ICSUに加盟している学会連合には次のようなものがある。国際天文学連合(略称IAU,1919創立。以下同様),国際地理学連合(IGU,1923),国際数学連合(IMU,1952),国際生化学連合(IUB,1955),国際生物学連合(IUBS,1919),国際結晶学連合(IUC,1947),国際測地学・地球物理学連合(IUGG,1919),国際地質学連合(IUGS,1961),国際免疫学連合(IUIS,1969),国際栄養学連合(IUNS,1946),国際薬理学連合(IUPHAR,1959),国際生理学連合(IUPS,1953),国際理論・応用生物物理学連合(IUPAB,1961),国際純正・応用化学連合(IUPAC,1919),国際理論・応用物理学連合(IUPAP,1922),国際電波学連合(URSI,1919),国際科学史・科学哲学連合(IUHPS,1954),国際理論・応用力学連合(IUTAM,1947)。…
…東京の正午砲が廃止されたのは20年といわれる。 1919年には国際学術連合会議(ICSU)と,その一員としての国際天文学連合(IAU)が誕生,このIAUの一部に現在の国際報時局(BIH)が開局した。各国天文台で独立に観測された世界時は無線報時を介して国際的に相互比較され,これらのデータが国際報時局へ集計され統一計算された。…
…すい星,小惑星,衛星,変光星,新星でそれぞれの命名法が決まっている。
[すい星]
新すい星は発見の通知が国際天文学連合(略称IAU)天文電報中央局に到着した順にその年号の後にa,b,c,……と続けて仮符号とし,発見者の名を3名まで連記して固有名とする。軌道が確定したのち,すい星を近日点通過の順にならべかえ,近日点通過の年号の後にI,II,III,……と続けて確定番号とする。…
※「国際天文学連合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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