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児童虐待の防止等に関する法律 じどうぎゃくたいのぼうしとうにかんするほうりつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

児童虐待の防止等に関する法律
じどうぎゃくたいのぼうしとうにかんするほうりつ

平成 12年法律 82号。児童虐待の禁止と予防・早期発見,防止に関する国・地方公共団体責務,被害児童の保護と自立支援などを定めた法律。 2000年 11月施行。保護者が児童に対し,外傷につながる身体への暴行を加えること,猥褻行為をすることまたはさせること,保護者としての監護を著しく怠ること,心的外傷を与える言動を行なうことを,児童虐待と定義し,禁止した。また学校,児童福祉施設,病院等の教員,職員,医師等に対し,虐待を発見した際に福祉事務所または児童相談所に通告することを義務づけた。

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知恵蔵の解説

児童虐待の防止等に関する法律

2000年11月に施行された、児童虐待の防止と対応を促進することを目的とした法律。1947年に制定された児童福祉法では、一般国民の通告義務、一時保護や保護者の同意なしの施設入所措置、親権喪失宣告の請求、児童相談所の立入調査権などが規定されていた。しかし、必ずしも適切な運用がなされていない状況が顕在化し、児童虐待防止法は、これらの適切な運用をうたった条文と、以下の規定がされた。(1)児童虐待の定義、(2)学校教職員、児童福祉施設職員、医師など子どもの福祉に職務上関係のある専門職による早期発見の努力義務、(3)立ち入り調査の際の警察官の援助要請、(4)親の同意なしの入所措置の場合、親との面会・通信を制限できる、など。立法の背景にある虐待相談件数の急増は、報道の増加や施策の推進で、見過ごされていたものが掘り起こされた結果と見るのが妥当である。さらに、改正法が04年10月から施行。保護者以外の同居人の虐待行為を放置することも保護者としての監護を怠る行為(ネグレクト)であり、また、直接子どもへの虐待がなくても配偶者へのドメスティック・バイオレンスも心理的虐待であると定義し、保護者の同意のある入所でも必要な場合は一時保護に切り替えて面会・通信を制限するなど、多くの点で改正された。 また、07年5月に2回目の同法改正が成立し、(1)国・地方公共団体の取り組み強化(重大な虐待事例の分析やケア体制など)、(2)子どもの安全確認のための立入調査の強化(再出頭要求を拒否した場合裁判所令状を請求して実力行使など)、(3)保護者に対する面会・通信の 制限強化(同意による施設入所でも制限が可能、つきまといの禁止など)、(4)保護者に対する指導に従わない場合の措置の明確化(知事の勧告に従わない場合、一時保護・施設入所措置を講ずるなど)が盛り込まれ、08年4月から施行される。

(中谷茂一 聖学院大学助教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

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