出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…一定地域(1部落ないし数部落)の住民が,その集団の規制にしたがって,山林原野その他の土地を共同して利用し収益する慣行をいう。民法では物権の一つとして入会権を認めており,その生成の沿革は古く,また,その態様は多岐にわたっている。
[入会権の法的意義]
入会権は,入会集団の構成員が山林原野その他の土地において,草・落葉・薪炭材・建築材などの採取,牛馬の放牧,植林,ときには石材・貝殻などの採取を入会集団の規制にしたがって行う民法上の物権である。…
…岩手県二戸郡一戸町小繫で1917年から66年まで50年にわたって争われた入会(いりあい)権の存否をめぐる一連の裁判をいう。小繫の30戸余りの住民は,江戸時代以来周囲の山林に立ち入って,まぐさ,薪炭材,建築材などを採取し,生活を支えてきた。…
… 不動産登記法が規定する登記しうる権利は,所有権,地上権,永小作権,地役権,先取特権,質権,抵当権(根(ね)抵当権を含む),賃借権および採石権の9種である(1条)。占有権,留置権は,占有という外形的事実が伴っていることから,登記をもって公示する必要がなく,入会(いりあい)権は,その内容が各地方の慣習によって定められ,その実体関係は一様でないため,登記によって公示することは事実上不可能であるなどの理由により,これらの権利は登記することができないものとされている。また,買戻(かいもどし)権については売買による所有権移転の登記と同時にする場合に限り登記することができ(民法581条,不動産登記法37条),不動産登記法1条に掲げた権利およびその権利に関する請求権については仮登記をすることが認められている(2条)。…
※「入会権」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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