全人(読み)ぜんじん

精選版 日本国語大辞典 「全人」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐じん【全人】

〘名〙
知識・感情・意志の調和した円満な人。完全な人格を備えた人。また、五体が完全な人。
※文明本節用集(室町中)「不小過則下無全人(センジン)〔范氏〕」
※智慧袋(1898)〈森鴎外無過金箔「全人たらんと欲するは素と天晴なる心掛なり」 〔荘子‐徳充符〕
② 人の全体。人のすべて。
正法眼蔵(1231‐53)徧参「このゆゑに全人は心なり、全心は人なりとしりぬべし」

また‐うど【全人】

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デジタル大辞泉 「全人」の意味・読み・例文・類語

まとうど〔またうど〕【人】

[名]欠点のない完全な人の意から》正直者律義者
むこ殿は―ぢゃと聞いたが」〈虎寛狂・音曲聟〉
[形動ナリ]ばかなさま。ぬけているさま。とんま。
「―な犬ふみつけて猫の恋/芭蕉」〈茶の草子

ぜん‐じん【全人】

知識・感情・意志の調和のとれた人。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「全人」の読み・字形・画数・意味

【全人】ぜんじん

全徳の人。〔荘子、庚桑楚〕夫(そ)れ天に工(たく)みにして人に(よ)きは、唯だ人のみ之れを能(よ)くす。

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