六日入村(読み)むいかいりむら

日本歴史地名大系 「六日入村」の解説

六日入村
むいかいりむら

[現在地名]前沢白山しらやま

上麻生かみあそう村の北に位置し、東は北上川に臨む。対岸母体もたい村、黒石くろいし村・下姉体しもあねたい(現水沢市)。ムヨカイリともよぶ。地名の起りは明らかでないが、前九年の役のとき、安倍氏一族が館に六日間籠城して戦ったという故事から生じたという伝承がある。文禄年中(一五九二―九六)和賀郡より六日入に移住したと伝える鈴木氏は大室おおむろ屋敷に居住。同氏は葛西家臣で、天正一〇年(一五八二)六月二日鈴木彦太郎は本領に添えて中野なかの(現水沢市)で三千刈、同一六年六月六日には田河津たこうづ(現東磐井郡東山町)で二千刈を宛行われている(「葛西晴信知行宛行状」鈴木文書)。当地には江戸時代初期キリスト教が伝えられ、渋谷太郎左衛門は元和七年(一六二一)ローマ教皇に宛てた奉答文(バチカン博物館蔵)の署名者として知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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