六日間天地創造説(読み)むいかかんてんちそうぞうせつ(その他表記)hexameron

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「六日間天地創造説」の意味・わかりやすい解説

六日間天地創造説
むいかかんてんちそうぞうせつ
hexameron

ユダヤ教,キリスト教における神の宇宙創造説。『創世記』1章に記述された,8つの仕事が6日間でなされたとされるところからその名を得た。神が初めにつくった天地は混沌としたものであったが,そこに言葉によって秩序が与えられていった。まず光と闇,昼と夜が (第1日) ,水と大空が上と下とに (第2日) ,天の下は水と陸地とに分けられた (第3日) 。天には太陽と月,星が (第4日) ,水と地の上には魚や鳥が (第5日) ,地には地の獣と神の似姿である人とがつくられた (第6日) 。前3日は分離 distinctio,あと3日は装備 ornatusと区別される。第7日は安息日 sabbataとして聖別された (2・1~3) 。この記述は初めは文字どおり受取られていたが,自然科学の発展とともに地質学的にみた地球の生成史との関連が問題となり,『創世記』には宗教的意味しかないとする説から,地質学と照応させようとする努力までさまざまの説が出されてきている。またここに含まれる宗教的意味としては,一神論,クレアチオ・エクス・ニヒロ (無からの創造) ,人間地位と神との相似 (イマゴデイ) ,結婚の使命 (28節に「生めよ,ふえよ,地に満ちよ…」とある) などがあげられる。

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