内閣総理大臣の異議(読み)ないかくそうりだいじんのいぎ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「内閣総理大臣の異議」の意味・わかりやすい解説

内閣総理大臣の異議
ないかくそうりだいじんのいぎ

行政訴訟において,執行停止の申立てまたは決定があった場合に,内閣総理大臣裁判所に対して述べることのできる異議 (行政事件訴訟法 27) 。内閣総理大臣が,執行停止によって公共福祉に重大な影響が生じるおそれのある事情を示す理由を付して異議を述べたときには,裁判所は執行停止を行うことができず,またすでに執行停止の決定をしているときには,その決定を取消さなければならない。行政権による司法権侵害を認めるものではないかとして,この制度には違憲の疑いがあるとする見解もある。しかし一般に,執行そのものは本来的に行政作用であるから内閣の側がそれを留保することは違憲ではない,と理解されている。

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