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司法権 しほうけん judicial power

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

司法権
しほうけん
judicial power

具体的な紛争に対して法を適用することによりこれを解決することを目的とする国家の権利。立法権,行政権と並ぶ三権の一つ。民事裁判刑事裁判および行政裁判を含む。大日本帝国憲法のもとでは,司法権のうちの民事裁判および刑事裁判のみが裁判所に付託されたが,日本国憲法のもとでは,すべての司法権が最高裁判所および法律の定めるところによって設置される下級裁判所に属することになった (憲法 76条1項) 。

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デジタル大辞泉の解説

しほう‐けん〔シハフ‐〕【司法権】

国家の統治権のうち、司法を行う権能。日本国憲法では、最高裁判所および下級裁判所に属する。行政権立法権とともに国家の三権を構成する。

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大辞林 第三版の解説

しほうけん【司法権】

国家の作用のうち、司法の作用を行う権能。現行憲法においては、すべて最高裁判所および下級裁判所に属する。 → 立法権行政権

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

司法権
しほうけん
judicial power

統治権のうち、司法作用を行う権能をいう。立法権および行政権に対する。司法権は、立法部、行政部からまったく独立した裁判所を設置して、これに担当させるのが原則であり、近代立憲主義国家ではその原則にたっている。日本でも、明治憲法は、司法権は「天皇の名において」裁判所がこれを行うものとし、日本国憲法は、すべて司法権は最高裁判所および下級裁判所に属する旨を定めている(76条)。ただ国会議員資格争訟の裁判、および裁判官弾劾裁判について、いずれも一種の司法作用ではあるが、前者については、国会の自律性を尊重して衆参各議院の議決によるものとしている(55条)。後者については、その沿革的理由から、国会に設けられた弾劾裁判所によって行われることになっている(64条)。[池田政章]

司法権の独立、裁判官の独立

裁判官は、裁判を行うにあたって、いかなる権力、いかなる人、いかなる集団からも、恣意(しい)的な干渉を受けない。これを司法権の独立といい、近代立憲主義の重要原則の一つとなっている。日本でも、明治憲法、日本国憲法いずれもこれを明記している。
 司法権の独立を確保するためには、裁判官の職権の独立(狭義の司法権の独立)と、裁判官の地位の独立が保障されなければならない。前者は、裁判官は自己の良心に従って公平無私に裁判を行い、憲法と法律だけに拘束されること(憲法76条3項)を意味する。後者は、前者の保障を徹底させるための、裁判官の身分保障の制度である。裁判官は、裁判によって心身故障のため職務をとることができないと決定された場合、公の弾劾により罷免された場合のほかは、理由なしに懲戒・罷免されない(憲法78条)と規定されている。
 司法権の独立は、沿革的には、専制国家における国王の統治権、行政権からの裁判の独立に始まったものである。したがって一般には、とくに行政権からの独立として論じられてきたが、明治憲法時代における大津事件(1891年5月)は、その事例として知られている。日本国憲法下において問題となったものとしては、次のようなものがある。まず国会からの干渉という形で問題となったものに、1948年(昭和23)に参議院法務委員会の国政調査権の行使が、司法権を脅かすものとして問題になった浦和事件がある。ついで53年に吹田(すいた)公判黙祷(もくとう)事件に関し、最高裁が各裁判官あてに通達を出したことが、上級裁判所の司法行政監督権の名による裁判干渉ではないかとの疑惑を投げかけた。さらに69年の平賀書簡問題を契機に司法権の内部における裁判官の独立が論議された。この問題が発展して、71年に青法協問題、宮本裁判官再任拒否問題が起こると、司法権の独立について、その危機が強く叫ばれた。他方、以上のような国家機関の干渉とは別に、マスコミや圧力団体などによる判決形成への圧力が司法権の独立、裁判の中立を侵すとして世人の注目を集めた。[池田政章]

司法権の限界と統治行為

具体的事件において法律の適用が問題になっているものは、すべて裁判所の権限としてその審査が認められるかといえば、そうとは限らない。これを司法権の限界といい、司法権の及ばないものとして、国会の自律権に関する問題と、統治行為とがある。前者の例としては議事手続の問題があり、その適否については国会の自主性を尊重して、裁判所はその有効・無効を判断すべきではないとされている。また、統治行為とは、高度の政治性をもった国家行為のことで、政治行為ともいう。高度の政治性を帯びているため、その適否を裁判的に解決するより、国会や内閣などの政治部門において処理することが適当であるとの見地から、とくに裁判所での審査から除外される行為をさす場合に用いられる。最高裁判所の判例によれば、安保条約の締結や衆議院の解散がこの例にあたる。統治行為の存在はアメリカ合衆国、フランスをはじめ諸外国でも承認されている。[池田政章]

司法権の優越

裁判所に違憲立法審査権(法令審査権)を認め、違憲の法律を無効として、その適用を拒否する権能を認める制度をさす。司法権の優位ともいう。アメリカ合衆国で判例によって確立され、日本国憲法も明文をもって(81条)これを採用した。[池田政章]
『井上茂著『司法権の理論』(1960・有斐閣) ▽家永三郎著『司法権独立の歴史的考察』(1962・日本評論社) ▽和田英夫・高柳信一編『現代の司法』(1972・日本評論社) ▽横田喜三郎著『違憲審査』(1968・有斐閣)』

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世界大百科事典内の司法権の言及

【裁判権】より

…具体的事件を裁判によって処理し,関係者を裁判に服従させる国家権力。国家統治権の一部であり,司法権と同義であるが,その及ぶ事件または人との関係を問題とするときは裁判権というのが普通である。民事裁判権(非訟裁判権,行政裁判権を含む)と刑事裁判権に大別される。…

【司法】より


[司法の意義]
 近代国家は統治の基本原理として権力分立制を採用しているが,司法はその下で立法,行政と区別される国家作用の一分枝であり,その作用を行う権能(司法権)は独立の国家機関(司法裁判所)に与えられている。日本国憲法もその76条1項に〈すべて司法権は,最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する〉と定め,立法,行政に対応する司法という国家作用の存在とその権能の帰属を明らかにしている。…

【司法権の独立】より

…裁判の厳格・公正を保つために司法権は他のあらゆる権力から独立していなければならないという原則で,権力者による恣意的な裁判や裁判に加えられる不当な圧力・干渉を排除するために,法による裁判の原則とともに近代国家において制度的に確立されたものである。国家統治の一部門としての司法部門が他の権力部門から分離・独立して自主的に活動するという原則(〈司法府の独立〉)を意味する場合と,裁判官が裁判にあたって法以外のなにものにも拘束されることなく独立してその職権を行使するという原則(〈裁判官の独立〉)を意味する場合とがあり,さらにこれらに〈裁判官の身分保障〉を加えた総合的内容を指すことも多い。…

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