円らか(読み)ツブラカ

デジタル大辞泉 「円らか」の意味・読み・例文・類語

つぶ‐らか【円らか】

[形動][文][ナリ]まるいさま。また、まるくて、かわいらしいさま。
「目を―にして口をつぐむ」〈鏡花婦系図

まろ‐らか【円らか】

[形動ナリ]まるまるとしているさま。まろやか。
かひなをさし出でたるが―にをかしげなるほども」〈宿木

つづら‐か【円らか】

[形動ナリ]驚いたり恐れたりして、目を丸くするさま。
「そこに目も―なる小法師にてついゐさせ給へるものか」〈栄花・花山尋ぬる中納言〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「円らか」の意味・読み・例文・類語

まろ‐らか【円らか・丸らか】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「らか」は接尾語 )
  2. 身体部分が、まるまるとしているさま。まろやか。
    1. [初出の実例]「かひなをさしいでたるがまろらかにをかしげなる程も」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)
  3. 円形であるさま。まるいさま。
    1. [初出の実例]「白縫(しらぬひ)女使(こしもと)とともに、団(マロ)らかに立こみて」(出典読本椿説弓張月(1807‐11)前)

つづら‐か【円か】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「か」は接尾語。「つづらめ(瞿)」などと同語源 ) 驚き・恐れなどで目を大きく見開いて、きょろきょろさせるさま。
    1. [初出の実例]「椽見て、目漂青(ツツラカニ)、面赫然(おもほてり)して、驚き恐りて隠る〈真福寺本訓釈 漂青 ツツ良可爾〉」(出典:日本霊異記(810‐824)下)

つぶら‐か【円か】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「か」は接尾語 ) まるいさま。まるくてふっくらとしたさま。また、つぶらなさま。
    1. [初出の実例]「いとつぶらかにしろく肥え給へり」(出典:浜田本宇津保(970‐999頃)国譲下)

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